想い出のなかの、養殖魚

赤く、紅く、朱く、そして漆黒へ

魚の単価。

沢木でございます。

 

 

今週、養殖タイの最低キロ単価が、ついに800円の大台に乗ったようです。

すばらしい。

業者と市場との熾烈な攻防が、いっそう高まることでしょう。

 

画像のような、こういったタイを作る生産者のタイでも、もちろんキロ800円は保証されるというのだから、まっこと すばらしい。

 

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みかんタイの新聞紹介記事。

沢木でございます。

 

 

今月の気温は、前年よりもやや高めとなる見込みだそうですね。

ニュースでやっておりました。

台風通過後、残暑がきつくなるやもしれぬ、とは先週あたり ニュースで言っていましたが、そのとおりになる様子。

市内中学校でも、体育祭の練習に子どもたちが励んでいる様子を耳にします。

 

 

さて、ふたつ前の記事で、みかんタイ、ハマチについて、ちょっと触れました。

 

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大雨と河川と。

沢木でございます。

 

本日、9月8日は、台風もどきの低気圧や前線が太平洋上空にあって、

早朝、四国九州地方は突発的な大雨です。

スマートホンの天気アプリを見ますと、岡山の美作でも局地的な豪雨があったとか。

 

 

雨というものは、やはり農業にとって、なくてはならぬもの。

ほどほどに降れば、畑の土を潤し、農作物の生育に効果抜群です。

ただ、養殖漁業にとっては、さてどうか。

 

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みかんのにおいのする魚は、想定外。

沢木でございます。

 

ひとつ前の記事で、「養殖魚の価格の低迷」に 若干触れました。

養殖業というものは、なんと言いましょうか、

乾坤一擲の博打のような、そういった要素を含んだ分野と言えましょうか。

魚価が、キロ当たり、シーズンごとに 50~100円も変動する。

それも生産コスト事情が、流通に反映するわけでもなく、市場で魚が過剰になった瞬間に 価格が変わる。

 

 

市場からすれば、

「値段が安い? もっと上げろ?

 ああそうですか・・・、取引先は、他の県の業者さんたちもおいでや。

 あんさんらがイヤなら、うちはアンタらから仕入れんでもええんやで?」

ここまでぶっちゃけることはないでしょうが。

 

 

養殖魚、マダイやハマチに関しては、供給過剰ということは、否めません。

「漁師の好き勝手にさせたら、海は滅ぶ」

というのは、地元のとある名士の言葉でしたが、正直 真実です。

需要に対して、生産が過剰・・・ それもかなり過剰になっているのなら、

事業継続の見直しや、継続自体を断念して、計画的に終息させることを決断せざるを得ないと思います。

あるいは、魚への高付加価値や販売戦略の見直しも、取り組むべき課題であったと思います。

 

 

いや、実際に、「みかん」の名前を冠した魚を生産するという取り組みを行なっていた・・・ というのは、あるにはあった。

価格も、通常のものより、+50~100円程度で 市場に卸せたそうですし。

ただ、「美味しいかどうか」 という点においては、甚だ疑問な魚ではありました。

 

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うちの鯛が、あかくなくて、どうするんでぇ?

沢木でございます。

 

じつは先日、鯛をいただきました。

養殖の真鯛です。

 

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エラから刃を入れて活け締めにして、水氷で冷やした後、クーラーボックスに氷といっしょに入れて 持ってきていただきました。

気温も高くない日でしたので、氷が溶けてくる前に、捌き始めることが出来 たいへんいいタイミングであったと思います。

 

 

養殖のタイと申しますのは、天然ものと比較しまして、

「タイの赤みがキツイ、人工的だ」

「尾の先が黒い」

「脂が多い」

など、いろいろ言われまして、やはり評価は低い。

桜鯛が出回る時期ですと、わざわざ養殖物に手が出ないくらいです。

 

実際、タイの赤色を付けるのに、養殖鯛ですと、アスタキサンチンという色素物質を一定量 餌に混ぜて食べさせるわけです。

アスタキサンチンは、エビなどにも含まれており、深い海の底におる 天然タイですと、エビやオキアミなどを食べ、自然な赤色になるわけです。

ただ、養殖タイですと、養殖生け簀の深さ自体がそれほど無くって、海表面に近いので、やはえい紫外線やけするなどして、あの一種独特の えぐい赤色になるわけです。

 

まぁ、「赤色がちがう!」 からといって、養殖タイが美味しくない!

必ずしも、そんなわけはないのですが。

あくまで、見た目が8割とするなら、養殖の赤では、天然の赤には敵わないというだけだと思います。

むしろ、アスタキサンチンは、色素抽出するさいに、アセトンやヘキサンなどの石油系溶剤が使用されており、イメージとして そちらのほうが問題であろうとは思います。

最終的に、食品中に残留していないとはいえ、消費者はいやがるかもしれません。

イメージは、大切です。

 

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徒然なるままに。

沢木と申します。

 

日本一の養殖産地といわれている、宇和海のほとりで、魚類養殖業に携わっておった者です。

 

引退して久しいのですが、かつての日々を、最近 ふとしたきっかけに思い出すことが多く、懐かしさのままに 書き留めておこうと、このたび ブログを始めてみました。

 

養殖が、好きか嫌いかと聞かれますと、

「魚は好きだが、

 養殖魚なら なんでも好きだと言うわけではない。

 むしろ、一般の養殖魚は、嫌いである。」

 

そう、お答えしたい。

養殖魚というものは、

それが、魚種が、マダイ、ハマチ、マアジ、カンパチ、シマアジ・・・ 種類こそ多くあれど、

ぜんぶが美味しいものでは、けっしてないからです。

 

魚類養殖業に携わっておりますと、

(おそらく、どんな分野でもそうでしょうけれど)

あまり知りたくない事柄まで知ってしまうために、出所のしれぬモノというものは、おそろしいものです。

 

 

さて、徒然なるままに、書こうと思います。

もし、興味を引かれましたら、末永く お付き合いいただけましたら幸いです。