みかんタイの新聞紹介記事。
沢木でございます。
今月の気温は、前年よりもやや高めとなる見込みだそうですね。
ニュースでやっておりました。
台風通過後、残暑がきつくなるやもしれぬ、とは先週あたり ニュースで言っていましたが、そのとおりになる様子。
市内中学校でも、体育祭の練習に子どもたちが励んでいる様子を耳にします。
さて、ふたつ前の記事で、みかんタイ、ハマチについて、ちょっと触れました。
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みかんのにおいのする魚は、想定外。
沢木でございます。
ひとつ前の記事で、「養殖魚の価格の低迷」に 若干触れました。
養殖業というものは、なんと言いましょうか、
乾坤一擲の博打のような、そういった要素を含んだ分野と言えましょうか。
魚価が、キロ当たり、シーズンごとに 50~100円も変動する。
それも生産コスト事情が、流通に反映するわけでもなく、市場で魚が過剰になった瞬間に 価格が変わる。
市場からすれば、
「値段が安い? もっと上げろ?
ああそうですか・・・、取引先は、他の県の業者さんたちもおいでや。
あんさんらがイヤなら、うちはアンタらから仕入れんでもええんやで?」
ここまでぶっちゃけることはないでしょうが。
養殖魚、マダイやハマチに関しては、供給過剰ということは、否めません。
「漁師の好き勝手にさせたら、海は滅ぶ」
というのは、地元のとある名士の言葉でしたが、正直 真実です。
需要に対して、生産が過剰・・・ それもかなり過剰になっているのなら、
事業継続の見直しや、継続自体を断念して、計画的に終息させることを決断せざるを得ないと思います。
あるいは、魚への高付加価値や販売戦略の見直しも、取り組むべき課題であったと思います。
いや、実際に、「みかん」の名前を冠した魚を生産するという取り組みを行なっていた・・・ というのは、あるにはあった。
価格も、通常のものより、+50~100円程度で 市場に卸せたそうですし。
ただ、「美味しいかどうか」 という点においては、甚だ疑問な魚ではありました。
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うちの鯛が、あかくなくて、どうするんでぇ?
沢木でございます。
じつは先日、鯛をいただきました。
養殖の真鯛です。
エラから刃を入れて活け締めにして、水氷で冷やした後、クーラーボックスに氷といっしょに入れて 持ってきていただきました。
気温も高くない日でしたので、氷が溶けてくる前に、捌き始めることが出来 たいへんいいタイミングであったと思います。
養殖のタイと申しますのは、天然ものと比較しまして、
「タイの赤みがキツイ、人工的だ」
「尾の先が黒い」
「脂が多い」
など、いろいろ言われまして、やはり評価は低い。
桜鯛が出回る時期ですと、わざわざ養殖物に手が出ないくらいです。
実際、タイの赤色を付けるのに、養殖鯛ですと、アスタキサンチンという色素物質を一定量 餌に混ぜて食べさせるわけです。
アスタキサンチンは、エビなどにも含まれており、深い海の底におる 天然タイですと、エビやオキアミなどを食べ、自然な赤色になるわけです。
ただ、養殖タイですと、養殖生け簀の深さ自体がそれほど無くって、海表面に近いので、やはえい紫外線やけするなどして、あの一種独特の えぐい赤色になるわけです。
まぁ、「赤色がちがう!」 からといって、養殖タイが美味しくない!
必ずしも、そんなわけはないのですが。
あくまで、見た目が8割とするなら、養殖の赤では、天然の赤には敵わないというだけだと思います。
むしろ、アスタキサンチンは、色素抽出するさいに、アセトンやヘキサンなどの石油系溶剤が使用されており、イメージとして そちらのほうが問題であろうとは思います。
最終的に、食品中に残留していないとはいえ、消費者はいやがるかもしれません。
イメージは、大切です。
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徒然なるままに。
沢木と申します。
日本一の養殖産地といわれている、宇和海のほとりで、魚類養殖業に携わっておった者です。
引退して久しいのですが、かつての日々を、最近 ふとしたきっかけに思い出すことが多く、懐かしさのままに 書き留めておこうと、このたび ブログを始めてみました。
養殖が、好きか嫌いかと聞かれますと、
「魚は好きだが、
養殖魚なら なんでも好きだと言うわけではない。
むしろ、一般の養殖魚は、嫌いである。」
そう、お答えしたい。
養殖魚というものは、
それが、魚種が、マダイ、ハマチ、マアジ、カンパチ、シマアジ・・・ 種類こそ多くあれど、
ぜんぶが美味しいものでは、けっしてないからです。
魚類養殖業に携わっておりますと、
(おそらく、どんな分野でもそうでしょうけれど)
あまり知りたくない事柄まで知ってしまうために、出所のしれぬモノというものは、おそろしいものです。
さて、徒然なるままに、書こうと思います。
もし、興味を引かれましたら、末永く お付き合いいただけましたら幸いです。