想い出のなかの、養殖魚

赤く、紅く、朱く、そして漆黒へ

みかんタイの新聞紹介記事。

沢木でございます。

 

 

今月の気温は、前年よりもやや高めとなる見込みだそうですね。

ニュースでやっておりました。

台風通過後、残暑がきつくなるやもしれぬ、とは先週あたり ニュースで言っていましたが、そのとおりになる様子。

市内中学校でも、体育祭の練習に子どもたちが励んでいる様子を耳にします。

 

 

さて、ふたつ前の記事で、みかんタイ、ハマチについて、ちょっと触れました。

 

 

「みかんのにおいが付くのは想定外だった」

そう、書いておりました。

NHKのニュースかなにかでも、職員さんが、そうコメントをしておったと思うのですが、出典というのは確認しておいたほうがよかろうと思い、探してみました。

検索、というものが、インターネットにはあるのですね。

グーグルという検索サイトで調べたら、すぐに出てきました。

 

www.tokyo-np.co.jp

 

私たちの世代は、コンピューターよりも電卓やそろばんのほうが馴染みがあり、安心する。 調べ物をするにも、本や雑誌、新聞のほうが、しっくりくるのですが、コンピューターというのは便利なものですね。

 

 

リンク、というものの入力も、今回やってみました。

この東京新聞さんの中で、職員が当時言うておった言葉が載っていました。

 

 

正直なところ、「想定外」というのは失言ではなかったのか、そう思えてなりませんが。

発表当時、地元のものから、「うまい!」という声は、ほとんど聞かなんだのは確かです。

「売れるんかいの?」という心配の声は、よう聞こえていましたが。

 

新聞記事では、どうも売れ行きが好調だというのを匂わせている印象です。

ですが、実際には、このみかんタイの取り扱い会社は、この記事の発表された半年も経たぬうちに、平成27年度末に、「破産」しとります。

 

n-seikei.jp

 

みかん関係のタイ以外にも、ハマチやヒラメ。 一般の養殖タイも扱っておった会社ですが、春先に2億5000万の負債抱えて倒れとります。

みかんタイの販売が好調なら、なんでこんな大借金をこさえとるのでしょうか。

不思議ですな。

 

 

いや、実際の所、みかんタイなどの販売が、特別不振であったというわけではないと思うとります。

昨年、平成27年度というもんは、養殖魚生産にとっては、ほんとうに大変な年であったと、はたから見ていて思います。

養殖タイの浜値は、キロ600円台の前半に入っていた時期もあった。

(個人的には、キロ700円台前半が、採算ラインと思っています。)

 

養殖に使う、餌の値段は上昇した。

(個人的には、生産コストが上がったのなら、浜値も比例して、多少は上げるべきと思いますが。

 もう長いこと、そんな理性的な行動を業者が取ったことはない。)

 

夏には恒例の赤潮発生で、数年ぶりの大規模な被害が出た。

 

まぁ、試練の時であったと思います。

 

私も、もう対岸の火事ではありますが、気にはなったので、会う生産者には、

「借銭がないのであれば、もう仕事しまいにしてはどうか」

そう言うてしまいましたものです。

 

美味くて、きれいなタイやハマチを作っても、業者に安く買いたたかれる。

そのくせ、餌の値段は、上げられる。

「市場で売れんのですよ」

「餌の原料が高くなったから仕方ないんですよ」

平然と言い放つ業者は、そう、乱暴な物言いですが、海に突き落としてやろうかと。

 

 

餌の原料事情は、分からなくもない。

魚粉の価格も上がり、飼料餌料の価格上昇は、以前から見通されていたのです。

飼料メイカーの営業さんらも、精一杯の企業努力はされとったと聞きます。

「価格維持は、もう限界です。 値上げやむなし」

そう言われて、理解できなくはない。

 

ただ、「魚が市場で売れないから」 の一点張りには、納得しかねるものがあった。

値付けの話は、業界の暗部に抵触するので(また、話も長くなります)、またどこかで書きたいと思います。

 

 

そう、去年であれば、みかんタイの販売会社が潰れてもおかしくはなかったと思います。

一般の養殖タイの市場卸価格があれだけ下がれば、破綻をしても、そうおかしくはなかった。

ただ、あのKという販売会社は、妙な立地、場所にアンテナショップを構えてみたり、妙に強気な価格で魚を扱っていたり、優しい価格で飼料販売をしていたので、潰れるべくして潰れた、とは思いますが。

累積しての、2億5000万の負債だったのだろうと思います。

 

 

今回の記事を書くきっかけは、インターネットというものの検索の便利さを実感したこともありました。

みかんタイの新聞記事や、倒産記事。

あるいは、みかんタイの紹介も、ブログで書いているのを目にしました。

生産者、販売会社自体も、すこし手を出している様子です。

「まだ、記憶がしっかりしているうちに」

「とっしょりの手習い」

そんなことをきっかけに、回想録のようなものを書いておきたくて、私はブログというものを始めてみたわけです。

 

 

事務員の女の子たちが、コンピューターを、手元も見ずに、指を動かして操っておりましたが、えらいと今更ながら思います。

指一本一本で、文字を打つ、このむずかしさよ。

ボケ防止には、たいへん効果があるんじゃないでしょうか、ハイ。